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8月が終わりました。

今年の8月も、たくさんのお客様(&たくさんのワンちゃん)

に出会えて、本当に楽しかった。嬉しかった。

全部のお客様(&ワンちゃん)を好きになるので、

「今頃、何してるだろうな・・」と思います。

小ぶりなペンションだからこその出会いです。

大事にしていきたいと思います。


うちには、素敵な人しか来ないからなあ・・・ほんとだよ。

ありがとうございます、わざわざこんな山奥に来ていただいて!!




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個人的には、今年の夏は文化的にすごく充実していて

歳を重ねるのも・いいものだと思える夏でした。


具体的に言うと、

・村上春樹のラジオが聞けたこと

・ものすごく素晴らしい小説
(ジョンアーヴィングの神秘大通り)に出会えたこと

・村上春樹の新しい短編が発表されたこと

・改めて、フジパブリックの故・志村さんの曲に感動したこと。



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この夏は、

「神秘大通り」を読みながら、
村上春樹がオウムの(元)信者にインタビューした本を読み、
たくさんのお客様と会い、
いっぱいのワンちゃんとハグを交わし、
毎晩寝る前にkindleで怖い話を読み、
(怖い話を読むと集中して眠りに入れるのでw)
(怖くて目ぎゅっと閉じるからだろうか?)
故・志村君の音楽を聞いていた。
(志村君すごかったね。若いとき出会ってたら恋してたな、
目がぎょろぎょろしててタイプだしw)


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そんな感じだったので、村上春樹の新作「石のまくらに」が、
すごくすごく、胸に沁みた。

こころがビリビリ震えた。


この夏の文化的活動の総括のような感じもするし、

もし、この短編だけ読んでいたら感じなかったであろう感情。

そこには村上春樹の覚悟のようなものも感じるし

人生のはかなさや、

簡単に失われる信仰や傲慢な心を持つ人々の悲しさや

きっと、少し記憶に残るであろう私が読んできた文章への誇りや

あきらめ。


でも進んでいく。

また来年の8月には新しい出会いがあると信じていく。




本当に村上春樹はすごいな。

文章が美しい。

以下に載せますね。



あれから長い歳月が過ぎ去ってしまった。
ずいぶん不思議な事だが
(あるいはさして不思議なことではないのかもしれないけど)、
瞬く間に人は老いてしまう。

僕らの身体は後戻りすることなく刻一刻と滅びへと向かっていく。
目を閉じ、しばらくしてもう一度目を開けたとき、
多くのものが既に消え去っていることが分かる。

夜半の強い風に吹かれて、
それらは
­­---決まった名前を持つものも持たないものも---
­傷跡ひとつ残さずどこかに吹き飛ばされてしまったのだ。

あとに残されているのはささやかな記憶だけだ。
いや、記憶だってそれほどあてになるものではない。
僕らの身にそのとき
本当に何が起こったのか、
そんなことが誰に明確に断言できよう?




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それでも、
もし幸運に恵まれればということだが、
ときとしていくつかの言葉が僕らのそばに残る。

彼らは夜更けに丘の上に登り、
体のかたちに合わせて掘った小ぶりな穴に潜り込み、
気配を殺し、
吹き荒れる時間の風をうまく先に送りやってしまう。
そしてやがて夜が明け、激しい風が吹きやむと、
生き延びた言葉たちは地表に密やかに顔を出す。

彼らはおおむね声が小さく人見知りをし、
しばしば多義的な表現手段しか持ち合わせない。
それでも彼らは証人として立つ用意が出来ている。
正直で公平な証人として。

しかしそのような辛抱強い言葉たちをこしらえて、
あるいは見つけ出してあとに残すためには、
人は時には自らの身を、
自らの心を無条件に差し出さなければならない。

そう、僕ら自身の首を、
冬の月光が照らし出す冷ややかな石のまくらに載せなければならないのだ。



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